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有限会社 石川メンテナンスは水処理の保守・点検・管理を専門とする会社です。

TEL. 0544-27-5117

〒418-0022 静岡県富士宮市小泉1801-18

水処理管理計画WATER

生物廃水処理施設(活性汚泥法)の設計及び、保守管理について

BOD負荷 〔kg/日〕
    ・曝気槽の設計および運転管理上の重要な指標。



BOD-SS負荷 〔kg/MLSSkg・日〕    (MLSS負荷とも呼ぶ)
   ・曝気槽内の単位MLSS量(1kg)に負荷される1日のBOD量。

   ・標準活性汚泥法では0.2~0.4で管理する。

    BOD-SS負荷が低い・・・過度に曝気され微細な汚泥片に解体しやすい。
                処理水のSSは高くなるがBODは低くなることが多い。

    BOD-SS負荷が高い・・・流入水の一部が処理しきれないまま流出しやすい。



BOD容積負荷 〔kg/m3・日〕
   ・曝気槽 1m3当りに負荷される1日のBOD量で、主に曝気槽を設計する時の指標
    となる。
   ・標準活性汚泥法では、0.4~0.8kg/m3・日が一般的。
   《例えば》

    C :曝気槽流入のBOD濃度(mg/L)
    Q :曝気槽流入水量(m3/日)
    V :曝気槽容量(m3)
   MLSS:曝気槽MLSS濃度(mg/L)
       とすると、
計算方法

BOD負荷〔kg/日〕=C×Q×1/100

BOD-SS負荷〔kg/MLSSkg・日〕=C×Q/V×MLSS

BOD容積負荷〔kg/m3・日〕=C×Q/V×1/1000


汚泥日令〔日〕
 ・活性汚泥の曝気槽平均滞留時間で活性汚泥の新旧交代の期間を表す。

 ・汚泥日令(日)
  =曝気槽の容量(m3)×曝気槽内MLSS濃度(mg/L)/曝気槽流入水量(m3/日)
   ×流入水の平均SS(mg/L)
   ※3~5日位が標準
汚泥日令が小さい →BOD除去が難しい。
大きい →最終沈殿槽で汚泥の浮上・流出の可能性大。



曝気時間
  ・廃水の浄化は吸着・酸化・同化のプロセスを経る。
  ・曝気時間はこのプロセスを経て廃水が十分に浄化されるに必要な反応時間をいう。
  ・4~5時間以上は必要。

  ・曝気時間(H)=曝気槽の容量(m3)/曝気槽流入水量(m3/日)×2

汚泥容量指標
  ・汚泥容量指標(SVI)=SV30(%)×10000/MLSS(mg/L)

   ※30分沈殿後にMLSS 1gが占める容量(ml)を示す。
    ・正常な活性汚泥では100~150前後を示す場合が多い。
    ・値が大きいほど活性汚泥の沈降性や圧密性が低い。


返送汚泥量

   返送汚泥量(m3)=曝気槽流入量(m3)×返送汚泥率(%)×1/100

   返送汚泥率(%)=曝気槽MLSS(mg/L)-曝気槽流入SS(mg/L)/
     返送汚泥 のMLSS(mg/L)-曝気槽MLSS(mg/L)×100

   《例えば》
   ※管理MLSS :曝気槽内に維持されるべきMLSS濃度(汚泥負荷)。

   ※現在のMLSS:管理MLSSより増殖している状態のMLSS濃度。
     とすると、

余剰汚泥引抜量

   余剰汚泥引抜量(m3)=曝気槽容積(m3)×現在のMLSS(mg/L)-
   管理MLSS(mg/L)/返送汚泥のMLSS(mg/L)



沈殿槽の滞流時間
   沈殿時間(H)=沈殿槽容積(m3)/沈殿槽への流量(m3)×24(H)
    ※3時間以上が望ましいが、あまり長いと腐敗し活性汚泥に悪影響を及ぼすこと
     がある。





例題
・曝気槽流入量(Q)
80m3/日
 
・曝気槽入口BOD濃度(C)
300(mg/L)
・曝気槽容量(V)
60m3
・曝気槽内MLSS濃度(MLSS)
2000(mg/L)
・曝気槽返送汚泥濃度
6000(mg/L)
・沈殿槽容量
25m3
・曝気槽流入SS
500mg/L

以上の条件下で・・・

○BOD負荷(kg/日)を求めてみよう!

   300mg/L × 80m3/日 × 1/1000=24kg/日

         
○BOD容積負荷(kg/m3・日)を求めてみよう!

   (300mg/L × 80m3/日)/60m3× (1/1000)=0.4kg/m3・日
   または
   BOD容積負荷(kg/日)/曝気量容量(m3)=24kg/日/60m3=0.4kg/m3・日


○BOD-SS負荷を求めてみよう!

   300mg/L × 80m3/日/ 60m3 × 2000mg/L=0.2kg/MLSSkg・日
   または
   BOD容積負荷(kg/m3・日) / 曝気槽内MLSS濃度(mg/L)×1000
         =0.4kg/m3・日/ 2000mg/L×1000
         =0.2kg/MLSSkg・日


○汚泥日令(日)を求めてみよう!
   60m3 × 2000mg/L / 80m3/日 × 500mg/L=3日


○曝気時間(H)を求めてみよう!
   60m3 / 80m3/日×24 =18H


○返送汚泥率(%)を求めてみよう!
   (2000mg/L-300mg/L) / (6000mg/L-2000mg/L×100%) =43%


○返送汚泥量(m3)を求めてみよう!
   80m3 ×43%×1/100=43m3


○余剰汚泥引抜量(m3)を求めてみよう!
   60m3 ×(3000mg/L-2000mg/L) / 6000mg/L=10m3


○最終放流槽の沈殿時間(H)を求めてみよう!
   25m3 / 80m3×24時/日 =7.5時間


いかがですか?
御社、水処理施設の日常点検データを当てはめて計算してみましょう。
施設設計(ハード)と保守管理(ソフト)、両面からの掌握が必要な時があ
ると思います。
参考にして下さい。お役に立ちましたら嬉しい限りです。

 


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